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妄想のケア

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
ある英国の作家が「若いとは、お金がないことを気にしないことだ」と言いました。では「老いとは、お金が無くなることが心配になること」でしょうか。時々、物盗られ妄想の相談を受けますが、身近な介護者に向かう攻撃的な物盗られ妄想に家族は弱ります。精神科の外来治療だけでは、薬に頼った結果、副作用で事態が悪化することもあります。今回は、具体的な対処方法ではなく、本から得た妄想への対応の原則を紹介します。認知症の初期は、記憶障害が中心ですが、妄想などの周辺症状も出てきます。この妄想の根源は「喪失感」にあるといわれます。妄想は段階的に出るのではなく、何かしらの出来事をキッカケに急に生じます。人生には、親しい人との別れや生活環境の変化、病気や怪我はつきものです。「人の世話はするが、されるのは苦手な」人は、別れや環境変化、体の不調などを喪失感に結びつけがちです。共通するのは、老いや病気、助けを借りることを上手く受け入れられないことです。それまでのように、困難を自力で乗り切れず、面倒を見られるという予想外の現実に、不安や恐怖を感じた結果、物盗られ妄想という表現になると考えられます。妄想は誰にでも生じうるもので、このような性格の人達だけの問題ではありません。周辺症状は、認知症患者さんの生き方とその人が置かれた状況が絡み合って生じます。つまり、家庭環境や、老いを排除し、病気になって人の手を借りる、病んだ人に手を貸すことが当たり前ではない社会の姿も背景にあります。認知症のケアでは、妄想の元である喪失感を埋めるため、その人が「出来なくなったこと」は要求せず、「出来ること」を積極的にやってもらうことが有効だといいます。また、攻撃性を家族が受け止めるのは難しいので、第3者のケアスタッフが間に入る方がいいでしょう。病気の介護や、生活の援助に、他人が介入することに抵抗感があるものですが、介護サービスの利用にはこういう意味もあります。
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耳鳴り~仲良く付き合いましょう

Text by 治耳鼻咽喉科 山口 治浩
2001年に行った厚生労働省による国民生活基礎調査では、慢性的に耳鳴りを感じている人は全体の26.8%で、4人に1人は耳鳴りに悩まされていることになります。一般的に耳鳴りは難聴を伴っていることが多いので、聴力検査は必ず行う必要があります。薬物療法ではビタミンB12製剤、代謝賦活剤、微小循環改善剤や漢方薬を処方します。新しい治療法としてTRT(耳鳴再訓練療法)がありますが、音響療法とカウンセリングからなる治療法です。耳鳴りを消失させるのが目的ではなく、耳鳴りに慣れてもらうことで耳鳴りに対する苦痛を軽減させる治療法です。しかし、治療器具を実費負担(4万円前後)していただく必要があるため、普及していないのが現状です。①致死的な症状ではないこと、②感じる音の大きさ・高さが変化することは体調の変化によってよく起こることで心配はないこと、③他の病気の前兆であることは多くはないということなどを理解していただくことも重要です。
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水痘ワクチンの効果

Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
2014年10月から子どもたちが待ち望んでいた水痘ワクチンの2回接種が始まりました。水痘(みずぼうそう)は、皆さんよくご承知の通り、体に水ぶくれがたくさんできて、あとでかさぶたができる病気です。多くのお子さんでは水疱(すいほう)からかさぶたまでで終わってしまいますが、時には水痘脳炎を発症したり、あるいは重症化して死亡に至ったり(統計上は毎年10人程度死亡しています)する実はとっても怖い病気です。お年を召されてから発症する帯状疱疹(ほうしん)もウイルスは一緒です。帯状疱疹は幼い時に水痘になったことが原因としてもたらされていると考えられています。ワクチンを2回接種することにより、年齢を経た時に、帯状疱疹になるリスクが低くなると考えられます。水痘ワクチンの定期化はこの短期間の間に函館の地にもすでに効果を表しています。昨年度、当院で麻しん風疹ワクチン1回目を受けたお子さんの90%以上が水痘ワクチン1回目を接種しています。その結果今年1月から6月までの水痘の流行は過去5年間の平均の4分の1までに減少しています。流行が減少するのはとてもいいことなのですが、流行が減ればワクチンで免疫を作った子どもたちが、水痘ウイルスに知らない間に少しだけ触れて免疫が強化されることがなくなります。結果として麻疹や風疹のようにワクチンを2回接種しなければ、子どもたちを水痘という病気から守れないということになります。現在の水痘ワクチンの無償化は1歳から3歳の誕生日の前日までに3カ月以上の期間をあけて2回接種するというものです。1回目は多くの方が受けていただけると思いますが、2回目を忘れないでください。3歳以上のお子さんで水痘ワクチンを1回受けたけど、水痘にかかってもいないし、周りではやった記憶がない場合には有料になりますが、2回目の接種を受けましょう。ワクチンで守れる病気はワクチンで予防する。病気にかかるほど怖いものはない。こんな共通の認識が、皆さんの間に広まることを小児科医は望んでいます。
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虫さされにご用心 〜マダニと重症熱性血小板減少症候群〜

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
城岱スカイラインと言った峠道をドライブすることがあります。七飯本町から大沼に抜けるとっても景色の良い道です。すると、道ばたに止まっている車がいます。何をしているのか不思議だったのですが、どうやら山菜採りをしているようです。そういう方が、眼科を受診することがあります。目の縁に虫が付いているというのです。診察してみると、確かに茶色い虫が付いていますが、皮膚からは胴体が垂直に出ていて足がもぞもぞと動いていることがあります。マダニです。マダニは通常2mmくらいの小さな虫ですが、皮膚は硬く、なんといってもその強力なあごを皮膚に差し込んで体を固定するため、手で抜こうとしても簡単には取れません。皮膚にくっついたまま、人間の血を吸うため体がだんだん大きくふくれあがってきます。下手に抜こうとすると、あごを皮膚の中に残したまま頭部がちぎれるため、残った頭部のため皮膚が炎症してきて、赤く腫れ上がってきます。アルコールや消毒液をかけるとマダニがいやがって皮膚から離れていくという方法もあるようですが、必ずしも成功する方法ではないようです。眼科を受診した場合、手術用のベッドに横になっていただいて、顕微鏡を見ながらピンセットを使って注意深く皮膚から引き離していきます。ただ、やはり頭部がちぎれてしまうことがあるため、あごが皮膚に残らないように、周囲の皮膚を含めて手術用のメスやハサミを使って取り除かなければならないことも多いようです。最近、新聞やテレビで良く報道される病気があります。マダニから感染したウィルスのために嘔吐や下痢、頭痛を引き起こし、最悪の場合死亡することもある<重症熱性血小板減少症候群>という病気です。山菜採りやハイキングに出かけて、まぶたに何か付いていたら、無理してとらずにまず眼科を受診してみましょう。
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視野の真ん中がぼやける、ゆがむ、暗くみえませんか

Text by 吉田眼科病院 吉田 紳一郎
物を見る中心部がぼやけて、暗く感じる(中心暗点―ちゅうしんあんてん)、ゆがんで見える(変視症―へんししょう)という症状を自覚される場合、網膜の中心部、黄斑(おうはん)の病気が考えられます。黄斑とは網膜(カメラに例えるとフィルムに当たる所)の中心にあり、物を見るために大切な部分です。その黄斑に異常をきたす代表的な病気を挙げます。中心性網膜炎眼底の中心部黄斑が丸く腫れる病気で、ストレスが多くかかる中年男性によくみられます。治療はストレスからの解放、睡眠をしっかり取ることが第一です。また、内服療法や早く治すためにレーザー治療を行います。ほとんどは半年くらいで治癒(ちゆ)しますが再発することもあります。心身の過労を避けることが大切です。
黄斑上膜年齢の変化で黄斑の上に膜がはる病気です。中心部に膜がはると収縮し黄斑にしわがより、症状を自覚します。治療は視力低下やゆがみがないときは経過観察となりますが症状が強いときには手術の適応になります。
加齢黄斑変性症アメリカで中途失明の原因の一位で、黄斑に異常な加齢変化がおこり症状がでる病気です。唯一の危険因子に喫煙があります。大きく二つのタイプがあり、萎縮型は病気の進行は緩やかで高度の視力障害はおこらないため積極的な治療はしません。一方、滲出型(しんしゅつがた)は脈絡膜(みゃくらくまく)から病的な新しい血管(新生血管―しんせいけっかん)が発生し、網膜のほうに進行します。治療は決定的な方法はありませんが新生血管をレーザーで閉塞させる光線力学療法、栄養血管をつぶすレーザー光凝固や黄斑下に出血を伴うときには手術を行うこともあります。
以上のほかにもいろいろな病気があります。目の治療で大切なのは早期発見、早期治療です。自分で少しでも異常を感じたら眼科専門医の診察をうけてください。
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