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メタボリックシンドロームについてText by 小笹内科医院 小笹 明
2005年4月に内科系8学会でメタボリックシンドロームの診断基準が作成されました。腹囲〈リラックスした状態で、お臍(へそ)のある位置から水平にメジャーをまわして測ります〉が男性では85cm以上、女性では90cm以上を必須項目として、血清脂質(中性脂肪が150mg/dl以上かHDLコレステロールが40mg/dl未満)、血圧(収縮期血圧が130mmHg以上か、拡張期血圧が85mmHg以上またはその両方)、血糖値(空腹時血糖値が110mg/dl以上)の3項目の内2項目があるとメタボリックシンドロームと診断され、将来、動脈硬化を起こし、脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞になる可能性が高くなります。また、メタボリックシンドロームは内臓脂肪症候群とも言われています。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて蓄積されやすく、エネルギーを消費することで解消されやすいという特徴があります。このことから、体を動かして内臓脂肪を使ってしまうことがメタボリックシンドロームを解消する良い方法です。さらに、食べ過ぎや飲み過ぎなど、食生活の改善にも気をつけることが必要です。
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血尿についてText by 医療法人社団やまだクリニック 山田 裕一
今回も身近な話題について書いてみたいと思います。血尿には、ご自分で見てはっきりと赤いことが分かる肉眼的血尿と、見た目は正常ですが検診や病院の検査でたまたま指摘される顕微鏡的血尿の2種類があります。肉眼的血尿の色調は、出血の場所や程度により様々です。鮮やかな赤、赤ワインのような赤、どす黒い赤、茶色など。高熱時や水分摂取の少ない時の濃い黄色尿や薬剤による着色尿は血尿ではありません。いずれの血尿も何らかの病気が潜んでいるサインを示していることがあります。一番注意が必要なのは、痛みや頻尿などの自覚症状がない肉眼的血尿です。膀胱などの腫瘍によることが多く、いったん血尿が出ても自然に止まるため、病気が治ったと思い、そのまま放置する方もいます。その間に病気は進行するので、難しい手術や治療が必要になってしまいます。たまたま尿検査をした時に、潜血反応が陽性で、2次検査を受けるように勧められることもあります。慢性腎臓病、腎炎などの内科的疾患や膀胱や腎臓の腫瘍の初期症状のこともありますので、どんな血尿の場合でも、ご自分の判断だけでなく、一度はお近くの専門医の受診をお勧めします。
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涙道(るいどう)内視鏡を用いた流涙症(りゅうるいしょう)治療Text by 吉田眼科病院 佐藤 浩介
「悲しくもないのに涙が出て止まらない」「いつもハンカチで涙をふかなければいけない」こんな悩みをもっている方けっこういらっしゃいますよね!この様な症状は涙道(涙の排出路)がつまってしまっている可能性が高いのです。いわゆる涙道閉塞という病気です。人間の眼の内側には涙点という涙の流れる口が上下に2箇所あります。涙はここから2本の管を通り涙嚢(るいのう)という袋に入り、鼻の奥へと流れて行くのですが、このどこかに閉塞している場所があると鼻の方に流れて行かなくなり眼の外にこぼれ出るため、常に泣いているように涙があふれてくるのです。涙道閉塞の治療は目薬では直す事が出来ず、今までは「ブジー」と呼ばれる先の丸い金属棒を使って閉塞部を突き再開通させ、チューブを挿入し治療していました。この方法で治らないケースの場合には鼻の骨を削って小さな穴をあけて、鼻の粘膜と涙嚢の粘膜をつなぐ手術を行うという方法も行われていました。近年、『涙道内視鏡』を用いた新しい流涙症の治療が行われるようになりました。この治療は、涙点から挿入した小さなカメラで涙道の内腔を直接観察しながら、つまっている部分を開放し、柔らかいチューブを挿入し留置しておく方法です。麻酔は涙点から麻酔液を注入し、鼻の中にも麻酔液を浸した綿を詰めます。手術後は2週間に1回洗浄の為に通院が必要で、留置したチューブは約2ケ月後に抜去します。この治療が普及してきたお蔭で、骨を削ったり、顔の皮膚を切ったりすることなくなりました。涙が多いというのは毎日が不快なものです。「治療しなくても我慢すればすむ事」とあきらめてしまう前に『涙道内視鏡』による治療という方法もあります。
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男性の性(15)Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
前回2回は「飽食と好色は両立しない」、平たく言うと、いつも腹一杯食べているとオトコの性欲・性衝動は減退するのではないか、という文豪:開高健の名作『夏の闇』の言葉をとりあげてみました。今回は、飽食の、性機能・特に勃起機能に対する影響を考えてみたいと思います。ここ数年、ED(勃起障害)という言葉が世間でも少しずつ知られてきているかもしれませんが、正確にはEDは『勃起の発現あるいは維持が出来ない為に満足な性交が出来ない状態』(米国国立衛生研究所)と定義されています。
つまり性交を試みても陰茎が勃起しないか、あるいは勃起しても途中で硬くなくなる(いわゆる中折れ)ため、射精まで至らない状態です。EDにはいろいろな種類がありますが、陰茎の血管・神経が原因のタイプは、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満などが危険因子と考えられています。 そしてこれらの危険因子は塩分の取りすぎ、カロリーの取りすぎ、運動不足などが原因なので生活習慣病・メタボリックシンドロームなどと最近呼ばれています。 飽食によるカロリーの過剰摂取は肥満となり、体を動かすのが面倒になると運動不足からさらに肥満も進み、過食(塩分・カロリーの過剰摂取)が改まらなければ生活習慣病・メタボリックシンドロームもさらに重症化するという悪循環に陥ります。 これらは従来は中高年になってからの病気といわれていましたが、近年、30歳代の若年者にもしばしば見られるようになりました。 特に、高血圧・糖尿病・高脂血症は自覚症状に乏しく、自分では気がつかないうちに重症となっていることも多い病気ですが、EDは比較的早くから自分で気がつく症状といえます。現代のような飽食の時代が続くと、将来はオトコの性欲はどんどん減退してゆき、たまに性的に興奮しても今度は陰茎が使い物にならない、などという笑い話では済まされない事態が起きないとも限りません。(つづく) |
高血圧の薬はやめられる?Text by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨
診察室でしばしば聞かれる質問です。あるいは、「高血圧の薬は飲み始めたらやめられないから飲みたくない」と言われます。どうでしょうか?高血圧の治療の目的を思い出してもらうと良いです。最終の目的は脳梗塞や心筋梗塞にならないように、つまり動脈硬化した血管が詰まって、臓器に血液が流れなくなることがないようにすることです。血圧が高いと血管が詰まり易くなるので、血圧を低く保つようにします。それで体重を適切に保ったり塩分を少なくしたり、生活習慣の改善を勧めます。血圧が160/95でも、「明日脳梗塞になる」わけではありません。でも10年後までには100人のうち8人が心筋梗塞を起こしたり、脳梗塞で半身まひになったりするのです。では生活習慣病の改善を試みても血圧が下がらない場合にどうするか?薬を飲んで血圧を下げてもらうことになります。「薬をやめた人がいないか?」と聞かれると、少ない人数ですがいます。①急に太った後に血圧が高くなったのですが、「薬を飲み始めたのがショックだった」そうで、体重を減らして数種類必要だった降圧薬がゼロになりました。少し経過を見ましたが、もう血圧が上がってこなかったので自己管理することにした人がいます。②最初から軽症の高血圧で減塩食にしてもらうと、次第に血圧が下がり薬をやめることができた人もいます。減塩でも上の血圧が10くらいは下がります。③診察の時には緊張するために血圧が高くなりますが、家庭で自己測定してみると正常血圧であった人も薬は飲みません。ひじで測る血圧計の場合には、正しい測定法であれば診察室の血圧より家庭血圧を参考にします。「160/95前後の高血圧なら20%の人で薬をやめられる」そうですが、血圧が高くなればなるほど中止は難しくなります。長い間高血圧を放置すると血管も硬くなるので、治療しても血圧が下がりにくくなります。血圧をただ下げるのではなく脳梗塞などの大病を防ぐのが最終目標だと理解してください。そうすることで将来の寝たきりや認知症になる可能性を少なくすることができるのです。
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