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矯正歯科と唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)Text by みはら歯科矯正クリニック 村井 茂
『ロ蓋裂矯正歯科の健保導入の歴史』「北海道苫小牧市内に住む建築業、竹田洋一郎(仮名)さん・・・・生まれて間もない三女の和美ちゃん(生後三力月)の小さな体が裸のままつぶれたようにタタミの上に倒れていた・・・・竹田さんは自分の車で近くの病院に和美ちゃんを運び込んだ。が、すでに死んでいた。・・・昭和50年5月25日夜のことだった―」これは、1976年毎日新聞北海道支社発行の「谷間の口がい裂児たち―この子らに健保を」の書き出しの部分です。私が卒業直後に大学に勤務し唇顎口蓋裂の治療に携わっていた時期に発行された本で、現在まで歯科医としての私に強く影響を与え、いずれは函館に帰り、口蓋裂児によりよい環境を地方都市で作ろうとの思いを強く抱きました。その後、歯科医としては地方都市では矯正歯科を学ぶ方が効果的と考え、口腔外科から矯正歯科へ移り、米国、カナダの唇顎口蓋裂施設の視察を経て、市立函館病院歯科口腔外科に勤務。現在、当院で唇顎口蓋裂患者の治療にあたっております。「チームアプローチが必須」口唇顎口蓋裂を持つ子供を殺害した事件後、矯正歯科の保険導入の働きかけがコロンビアトップ議員の国会質問により始まり、1982年にようやく保険導入が開始され、はや25年を経過しております。30年前は、出産直後の産院で、手術をしたようですが、現在では、形成外科医、その中でもこの疾患についてトレーニングを積んだ医師のみが、携わっております。言語や心の発達の時期と重なり合うため、言語治療士と歯科医その他の医療従事者によるチームアプローチの下、治療が行われております。治療も出生直後の形成外科および術前矯正歯科治療から始まり、矯正歯科治療が一応めどがつく、17、8歳までと長期にわたります。障害の程度はそれほど重度ではありませんが、心のケアを含めた長期的な展望と年齢を考えた治療ステップを計画する必要があります。また、毎年、この疾患に関する「日本口蓋裂学会」が開催され、日本の治療水準も、世界でも優れている国となってきております。
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風に当たると涙が出てきますText by 清水眼科クリニック 清水 信晶
空気が冷たくなる冬場や風が強くなる春先になると、外出時に涙が増えるという方が多くなります。涙は涙腺(るいせん)から出てきて目を潤すと、目頭にある涙点(るいてん)から鼻涙管(びるいかん)を通って鼻の穴に捨てられます。そのどこかが狭くなると涙目になってしまいます。また、白目の表面の結膜(けつまく)がたるんでくると涙点を抑えて涙目になったり涙がくっつくので不快感が出てきます。治療法としてはまず涙の量を減らす点眼薬を使ったり、風が目に当たらないようなカバーの付いた保護眼鏡をかけてみます。涙点や鼻涙管が狭い場合には切って広げたり、シリコンチューブを入れて狭くなっているところを広げる手術をします。白内障の方は目がぼやけるのを涙のせいに感じる場合もあります。
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日本脳炎ワクチン B型肝炎ワクチンText by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
6月に入って函館近郊は暖かい日差しに包まれ、子どもたちにとって楽しい夏がもうすぐです。楽しいことばかりであればいいのですが、水ぼうそうやおたふくかぜが久しぶりに流行していて、ワクチン接種をしていないお子さんを中心につらい時間があるのは、ちょっと切ないですね。2年ほど前から市民の皆様にいろいろとお願いしていた日本脳炎ワクチンがこの4月から公費接種として開始になりました。3歳から20歳未満の全てのお子さんが対象です。7歳半から9歳までのお子さんは予防接種法の規定により接種は9歳以降となっています。20歳ぎりぎりの人は、公費接種が4回すべてできないということがありますが、残りを有償でも接種するようにしてください。4回行うことで有効な免疫を獲得することができるからです。すでに任意接種で接種したお子さんは残りの回数を公費で行います。かかりつけの先生とよく相談して進めていきましょう。特別な事情のあるお子さんは6カ月から接種も可能ですので、これもかかりつけの先生と相談してください。10月になるとB型肝炎ウイルスに対するワクチンも今年の4月以降に生まれたお子さんを対象に公費接種になります。2カ月から1歳未満で3回の接種が必要です。このワクチンは将来のB型肝炎ウイルスによる肝硬変や肝臓がんを予防するのが主たる目的です。2カ月のヒブや肺炎球菌ワクチンと同時に始め、3カ月時に2回目、1回目の20~24週後を目安として3回目を行うというものです。10月から始まりますので4月に生まれたお子さんは、タイトなスケジュールになっています。10月になってすぐ始めないと、最後の1回が1歳を超え有料となる場合がありますので、注意してください。ワクチンで予防できる病気はワクチンで予防するというのが、子どもにとって大切なことです。あなたの大切なお子さんをワクチンで守ってあげてください。小児科医からのお願いです。
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『肺炎球菌ワクチンについて』(2026年3月 ハコラク掲載)Text by たからまち総合診療クリニック 院長 玉城 耕平
皆さん肺炎球菌はご存知ですか?名前の通り肺炎の原因となる細菌で、特に市中肺炎(日常生活を送る健康な人が発症する肺炎)で最も多い原因菌が肺炎球菌です。肺炎球菌は肺炎のほかに中耳炎や副鼻腔炎の原因、生命を脅かすリスクの高い髄膜炎や敗血症といった侵襲性肺炎球菌感染症を発症することもあります。これまで函館市では肺炎リスクの高くなる満65歳(または基礎疾患のある満60〜64歳)の方に対して肺炎球菌ワクチン接種の助成を行っていました。令和8年度から定期接種で使用される肺炎球菌ワクチンが、これまでの「23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(ニューモバックス)」から「20価肺炎球菌結合型ワクチン(プレベナー20)」へ変更されます。ニューモバックスは2006年に発売され、23種類の肺炎球菌に対応しており幅広い型をカバーできる点が特徴です。一方で免疫記憶が形成されにくく、年数がたつと予防効果が弱まるため5年毎の接種が推奨されていました。新採用のプレベナー20は名前の通り20種類の肺炎球菌に対応しています。これまでのワクチンより対応する型の数が少ないですが、より重症化しやすい型に対応しており、以前と比べて免疫の記憶が長く残りやすいのが特徴です。25年9月時点では安全性・効果ともに従来のワクチンと同等と報告されています。また接種間隔については免疫の記憶が残りやすいこともあり、26年1月時点では明確な定めはありません。使用ワクチンの変更を機に、この4月からワクチン接種の自己負担額は従来の費用から増額される見込みです。詳しくは市のホームページ、または助成対象者に送付される案内をご参照ください。肺炎球菌ワクチンだけで全ての肺炎を予防できるわけではありません。日頃の規則正しい生活習慣やマスクなどの感染予防も心掛けましょう。医療の世界は日進月歩で次々と新しいワクチンが登場しています。自身の健康のためにも、かかりつけ医と相談しながら予防接種についてご一考いただければ幸いです。
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ビスフォスフォネート系薬剤を服用しての注意点~顎骨壊死について~Text by 北斗歯科クリニック 土永 浩史
医科で処方されますビスフォスフォネート系薬剤は、悪性腫瘍(癌)の骨への転移、悪性腫瘍による高カルシウム血症、骨粗鬆症に用いられています。
近年、これが顎骨壊死に関わっているとの報告が相次いでいます。この顎骨壊死はビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様にまれに起こり、顎の骨が部分的に腐った状態になり、口の中の細菌が感染します。 その場合、 ①口の中の痛みや腫れ、膿が続いている ②歯茎に白い硬いものを感じる ③歯がグラグラする ④下唇のあたりがしびれる などの症状が現れます。こういったビスフォスフォネート系薬剤による骨壊死は顎の骨以外では見られなく、特に下の顎に起こりやすいと言われています。 口の中の粘膜は傷つきやすく、口の中の細菌が顎の骨に感染する可能性が他の骨に比べ高いためだと考えられています。また、ビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様が抜歯などの口の中の外科治療をした場合も顎骨壊死が生じる原因に挙げられています。ビスフォスフォネート系薬剤は、悪性腫瘍、骨粗鬆症の治療に非常に有用です。 こういった顎骨壊死のリスクがあるので、服用されている患者様はかかりつけの歯科医にあらかじめ伝えておくことが必要です。 そして、どうしても抜歯などの治療が必要であれば、ビスフォスフォネート系薬剤を処方している医師と薬剤師と歯科医が連携を取った上で治療を進めてもらった方が良いでしょう。先ほども述べましたとおり、この顎骨壊死は頻度としてはまれに起こるものですが、ビスフォスフォネート系薬剤を投与されている患者様はそのリスクを減らすためにも、口の中を清潔に保ち、定期的な歯科クリニックでの口腔清掃をすることをお勧めします。 |








