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携帯のメールを打つときはドライアイに注意

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
涙は眼球表面全体を覆い、それを潤し、眼を守るバリアとして働いています。涙の量が減ったり成分が変化すると、角膜や結膜が乾燥し、傷つきます。これがドライアイです。といっても、「目が乾く」と感じることより、目が疲れる、目がしょぼしょぼするなどの目の不快感が主な症状です。疲れ目を訴えて眼科を訪れる人の約6割はドライアイが関係しているという調査もあります。目が疲れやすい/目が乾いた感じがする/目がしょぼしょぼする/目がゴロゴロする/目が重い/目が痛い/なんとなく目に不快感がある/目ヤニが出る/目が赤い/まぶしい/目がかゆい/物が霞んで見える/涙が出る。
この中で五つ以上あてはまれば、ドライアイかもしれません。
ドライアイになる原因には次のような要因があげられます。(1)空気の乾燥(秋から冬にかけて空気が乾燥していると、目の表面から涙液が蒸発しやすくなります)(2)瞬きが少ない(読書やパソコン操作に集中していると、瞬きの回数が減ります。最近では携帯のメールを打つときにも多く見られVDT症候群と呼ばれています)(3)コンタクトレンズの装着(コンタクトレンズが水をはじくため、目が乾燥することがあります)(4)シェーグレン症候群(中年の女性に多い病気で、目や口、鼻などの粘膜が乾燥し、関節痛が起きることもあります)
ドライアイの治療には、(1)点眼薬で目を潤す(人工涙液や保水効果のあるヒアルロン酸という薬を点眼して直接、眼の表面を潤すことが、ドライアイの基本的な治療法です。なるべくこまめに点眼します)(2)涙点を塞いで涙の排出を減らす(涙を排出する涙点に小さなプラグを差し込んだり、涙点を閉じる手術をして塞いでしまえば、涙を眼球表面に長く留めることができます)(3)フード付き眼鏡の利用(自分の眼鏡にフードを取り付けたり、フード付きドライアイ専用眼鏡で涙の蒸発を防止)などがあります。
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長生きの秘訣

Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
百歳以上の方を百寿者と呼びますが、日本におけるその数は、1990年には4千人程でした。当時、老年医学が専門の友人から「百寿者は、生まれつき(遺伝的に)強い人で、長寿の研究には適当でない」と聞きました。その後2000年にはおよそ1万5千人、2011年9月には、4万7千人に達しました。たった20年の間に、遺伝的に強い人たちが4万人以上も増えたのでしょうか?長寿に対する遺伝の関与は30%程度と言われます。したがって、寿命の伸びは、遺伝子以外の要素の影響が大きいということです。生活環境として、紛争や戦争がなく平和であること、大きな災害がないことは勿論大切です。ちなみに、第二次世界大戦直後の百寿者は四百人程でした。もっとも重要な要素は、国民の保健衛生に対する関心の高まりと、医学・医療技術の進歩の貢献が大きいと考えます。百寿者の統計データを教えてくださった先生は、長寿を100m走にたとえておられました。かつて10秒を切ることは夢のようでしたが、10秒の壁を破った後も記録は少しずつ伸び続けています。この伸びには選手の素質だけでなく、シューズやトラックなどの道具の改良、科学的なトレーニングの成果も大きく貢献しています。人間の寿命も、まだ伸びると予想されています。百寿者の研究から長寿の秘訣は見つけられていません。しかし、105歳以上の方たちの特徴から、「よく食べ、風邪をひかない」という共通点が発見されました。簡単なようですが、食べるためには、日頃から歯磨きを欠かさず、丈夫な歯を保つことが必要です。風邪をひかないために、手洗いとうがいの習慣も大事です。結局、「これをやれば大丈夫」という便利な話はありません。100m走の選手と同じで、自ら毎日努力することが必要です。人生は、100m走よりマラソンと言うべきかもしれません。コーチ(医師)の助言を聞き、道具(先進医療技術)を上手に利用して、人生マラソンを完走しましょう。
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カサカサ肌になりやすい季節を前に

Text by やなせ皮フ科クリニック 梁瀬 義範
暑い夏もようやく終わり、秋の気配が次第に色濃くなってきました。季節の移り変わりとともに、皮膚も変化していきます。
これからの時期は、手や足、すねなどの皮膚が乾燥でカサカサし、白い粉をふいたような状態になりやすくなります。皆さんのお肌はどうですか?皮膚のうるおいは、次の三つの要素で決まります。それは、(1)毛穴から分泌される皮脂(ひし)によって形成される、皮脂膜(ひしまく)
(2)皮膚の表面に存在する角質細胞(かくしつさいぼう)の間に存在する、角質細胞間脂質(セラミドなど)
(3)角質細胞内に存在する、天然保湿因子(アミノ酸など)です。これらの三つの要素の働きで、皮膚のうるおいは保たれるのですが、その成分が減少すると、皮膚の乾燥が起こります。この状態が長く続くと、皮膚の表面がひび割れを起こします。乾燥した皮膚は非常に敏感で、かゆみや炎症を起こし湿疹になっていきます。また、かゆみによる「引っ掻く」行為はその症状を更に悪化させます。では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?ポイントは、皮膚を清潔に保ちながら、乾燥を防ぐケアをしていくことです。具体的には、長湯と熱いお湯での入浴を避ける。硫黄成分の入った入浴剤は使用しない。石鹸の使いすぎ、洗いすぎを避ける。ゴシゴシこする行為、ナイロンタオルの使用を控える。入浴後に保湿剤を塗る。肌着は刺激の少ない木綿製のものを使用する。室内の湿度を調節する(加湿器や濡れタオルなどを使用)。爪を短く切り、引っ掻かないようにする。飲酒や香辛料はかゆみを助長するので、控えめにする、などがあげられます。特に、お風呂に入るときにこすらなければ気持ちが悪いとか、お風呂に入った気がしないとおっしゃる方が多いのですが、ゴシゴシこする行為はいたずらに皮膚を傷つけ、皮膚の乾燥を強くするだけではなく、外部からの異物(細菌やウィルスなどを含めて)の侵入を許すことにもなりかねません。注意して下さい。普段の生活で、以上のことを実践しても、かゆみが強く、湿疹になってしまう場合は早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けることをお勧めします。
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百日咳(ひゃくにちぜき)の予防は大切です

Text by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
今年、子供たちにとって、ワクチン接種で2度新しいことが起きました。ひとつは、口から飲んでいた生ポリオワクチンが不活化ワクチンになり注射になったこと。もう一つは、不活化ポリオワクチンと従来の三種混合(百日咳・破傷風・ジフテリア)ワクチンが一緒になって、四種混合ワクチンができたことです。不活化ポリオワクチンは子供たちから生ワクチンによるポリオ関連麻痺の恐怖を取り去ってくれました。四種混合ワクチンは三種混合ワクチンと不活化ポリオワクチンを混ぜたワクチンですが、接種の痛みが一回減るという福音を与えてくれました。二つのワクチンは順調に供給され、滞りなく接種が進むはずでしたが、四種混合ワクチンは11月の開始早々に、不活化ポリオワクチンは11月の中旬から入手が困難なケースが発生しました。このような状態で一番恐れるのは、三種混合ワクチンの接種すらも控えられ、百日咳が流行するのではないかということです。百日咳は最近では国内で2008年頃に爆発的に流行したあとその後も年間五千件程度の報告があり、2008年には1名が百日咳により亡くなっています。2000年台に入ってから大人の百日咳の報告が増えています。大人の流行の状態から考えれば、百日咳の感染の機会は決して減っているということではなく、むしろ増えていると言っても過言ではないでしょう。赤ちゃんは生まれるときに、お母さんから多くの免疫を受け継いで来ますが、百日咳の免疫はお母さんから受け継ぐことができません。ワクチンをすることによってのみ、百日咳からあなたのお子さんを守ることができるのです。四種混合ワクチンや不活化ポリオワクチンの供給が不足していても、従来の三種混合ワクチンは潤沢に供給されています。四種混合ワクチンにこだわらずに、百日咳の流行を起こさないためにも、生後三ケ月からの三種混合ワクチンの接種と、単独の不活化ポリオワクチンの接種が望ましいといえます。
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糖尿病網膜症診療の現況

Text by 江口眼科病院 森 文彦
現在、糖尿病とそれを強く疑う患者さんは1000万人を超えるといわれています。糖尿病になると網膜血管の細胞が高血糖になって障害され、糖尿病網膜症になります。糖尿病網膜症は糖尿病の最も怖い合併症の一つで、糖尿病患者の15~30%に生じます。初期には自覚症状がなくじわじわ進行し、網膜症が起こるのは糖尿病発症後平均7~8年です。1992年に糖尿病網膜症は視覚障害の原因の1位でしたが、2017年には3位となっています。これはこの25年で内科の先生による血糖コントロールがより良好に行われるようになったことと、早期に糖尿病網膜症の診断・治療がされるようになったこと、そして眼科診療の進歩によると思われます。糖尿病網膜症に対する病態の把握はこれまでの眼底検査や眼底造影検査に加えて、光干渉断層計(OCT)や広角眼底検査によってより正確にされるようになりました。また、糖尿病網膜症の治療は網膜レーザー光凝固や硝子体(しょうしたい)手術の普及により失明に至る患者さんは減少しました。重度の視力障害になる患者さんは減少しましたが、現在糖尿病黄斑浮腫による視機能の低下が問題になっています。黄斑浮腫の治療はこれまでの網膜レーザー光凝固、硝子体手術に加えて、ステロイドの眼局所投与、VEGF阻害剤硝子体投与が行われています。以前より視機能の改善が期待できるようになりましたが、まだまだ限界があります。さらに最近ではOCTAngiographyという造影剤を使わない検査やパターンスキャンレーザー、小切開硝子体手術のような低侵襲の治療が行われています。診療はより進歩していますが、早期発見、早期治療が重要です。血糖検査を行い、糖尿病と診断されたら眼科を定期的に受診することをお勧めします。
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