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悲しくもないのに最近涙がよく出ます。年のせいでしょうか?病気ではないですか?Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
涙目(流涙症)は赤ちゃんと高齢者に多い病気。通院治療が可能で、赤ちゃんでは自然治癒も涙は上瞼(うわまぶた)にある涙腺(るいせん)から出て来て目を潤すと、目頭にある涙点(るいてん)から鼻涙管(びるいかん)、涙嚢(るいのう)を通って鼻の穴=鼻腔(びくう)に捨てられます。そのどの部分が狭くなっても涙目=流涙症(りゅうるいしょう)になってしまいます。また、白目の表面の結膜(けつまく)がたるんでくると、そこへ涙がくっつくような感じがしたり、涙点を圧迫して涙目になってしまうこともあります。涙目は生後3カ月くらいの赤ちゃんと高齢者に多い病気ですが、年齢によって治療法は若干違ってきます。赤ちゃんの涙目の原因は先天性鼻涙管閉鎖症(せんてんせいびるいかんへいさしょう)で、鼻涙管が鼻の穴の出口部分でふさがってしまっています。自然に治ることもあるので、生後6カ月くらいまでは様子を見ます。それでも治らない場合には、ブジーと呼ばれる治療用の針金で突っついて、詰まったところを開通させる「涙道ブジー法」を行います。赤ちゃんの鼻涙管は鼻までまっすぐに通っているので金属の棒を使って治療することができますが、大人の鼻涙管は中が曲がりくねっていることがあるので単純に突っついただけでは治療できない場合があり、自由に曲がることができるシリコンチューブを使って治療します。涙道カメラという直径1くらいの細い内視鏡を使って詰まっているところを確認したり、鼻腔側の出口の状態をチェックすることも重要です。高齢者の涙目の手術療法としては、その原因によって、結膜を引っ張って伸ばす「結膜縫合術」小さくなった涙点を切り広げる「涙点形成術」鼻涙管にシリコンチューブを入れて狭くなったところを広げる「涙管チューブ挿入術」涙嚢の中に膿がたまっている涙嚢炎(るいのうえん)の場合には涙嚢と鼻腔の間の骨に穴を開けてトンネルを造る「涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)」を行いますが、いくつかの手術を組み合わせる必要がある場合もあります。1〜3までは外来通院の局所麻酔で手術ができますが、4の場合には入院して全身麻酔の手術が必要になります。涙目はさまざまな原因で生じる疾患で、ほとんどは通院で治療が可能ですが、場合によっては入院治療も必要になる疾患もあります。涙目でお困りの方は、放っておかずに一度眼科医へ相談することをお勧めします。
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義歯を快適にお使いいただくためにText by 北斗歯科クリニック 土永 浩史
義歯をお使いの方は慣れてくるとその義歯が体の一部となり、食事をする時や会話をする時には欠かせないものとなります。義歯はご自身の歯を毎日磨くように、毎日の管理が大切です。その管理を適切に行わなければ、いろいろな問題が生じてきます。歯科医院で義歯を作成しますと、歯科医からその管理方法の説明を受けます。今回はその確認の意味で、義歯の管理について述べさせていただきたいと思います。義歯の洗浄ですが、食後に可能な範囲で義歯ブラシで水洗を行います。しかし、いまだに部分入れ歯を口の中に入れたまま歯磨きを行う方がいらっしゃいます。よく磨けていないばかりか、義歯と接している歯と義歯の間に歯垢(プラーク)が入り込んだままになる原因となり、不衛生となります。そのため、義歯と接している歯に虫歯や歯周病が発生しやすくなります。口の中からはずして行いましょう。義歯の洗浄に、通常の歯磨き剤を用いますと摩耗しやすくなるため、義歯専用の歯磨き剤や中性洗剤を用い、義歯ブラシで洗浄を行います。流し等で義歯の洗浄を行う際は、落下して義歯が破損することがよくあります。洗面器等に水をためて、その上で洗浄するほうがいいでしょう。義歯は1日24時間中、接着し続けるのではなく、1日数時間ははずして義歯の下の粘膜を休ませておく必要があります。いつはずしておくかは特に決まっているものではありませんが、終身時にはずしておくのが一般的です。その際、義歯を乾燥させないように水に浸しておき、義歯洗浄剤を併用し、それを毎日お使いいただくのが望ましいと思われます。ご自身による毎日の義歯の管理を行っていても、義歯に歯石が付着して、汚れやすくなることがあります。定期的な歯科医院での定期検診で、そのような歯石を除去するだけではなく、義歯の異常がないか点検してもらうことで残存している歯の健康を維持していきましょう。
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失神バンドText by 榊原循環器科内科クリニック 榊原亨
1960年頃にはグループサウンズが流行っていて、オックスとか「失神バンド」がありました。演奏する人が失神してしまうとコンサートは終わりなので、失神するのは最前列に来ている女の人たちでした。
キャーッと騒いで、ぐったりしている所を係員に運び出されていました。 「入場券がもったいない」と小学生ながらに心配したものです。失神を主訴に外来を訪れる人はよくいます。 26年間の住民調査で「男3%、女3.5%の人が、一度は失神していた」と言う論文があります。 命に別条のない失神の原因もありますが、倒れたときに頭を打ったり、骨を折ったりすることもあります。失神する状態とは、一過性に脳への血流が減少する状態です。 頭への血流が6~8秒間途絶えるような不整脈が起こったり、上の血圧が60まで低下したり、脳への酸素が20%低下しても失神します。 失神前にふわふわする浮遊感を自覚することもありますし、前駆症状のない場合もあります。 完全に意識を回復するので、「あれはなんだったのだろう?」と不思議になりますが、繰り返すことが多いので、原因を調べるのは大事なことです。脈の速くなる不整脈と脈の遅くなる不整脈のどちらも失神の原因になります。 脈が速くなる不整脈が起こって、それが止まるときにしばらく心臓が打たないので、失神することがあります。 心房細動と言う不整脈で、脈が非常に遅いときも失神します。 心臓がやたら速く動くのだが、速すぎて血液を送り出せない不整脈の時も失神します。 出血して血圧が下がった時も失神します。 血を吐いた時は原因がわかりやすいのですが、動脈瘤の血管が裂けて体内で出血している時は失神の原因がわかりづらく、命に別条のある失神です。 朝礼で失神するのは、失神バンドと同じで、一時的な血圧低下が原因の命に別条のない失神です。 心臓血管に病気があると失神の原因になり易く、繰り返すと言われています。致命的な病気の前触れかもしれないので、気を失ったときは原因を調べましょう。 |
コレステロール論争Text by 関口内科 関口 洋平
平成22年9月、脂質栄養学会から「長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版」が発表されました。その内容は、中年〜高齢の一般集団では、コレステロール値の高い方が低いよりも癌死亡率や総死亡率が低いので、コレステロール値を下げる医療や食事指導は誤りである、というものでした。この発表により、コレステロールに関する認識が覆され、治療中の患者さんや一般の方々の間に大変な混乱を招きました。この発表に反対の立場をとる日本動脈硬化学会は、同年10月に次のような声明をだしました。肝臓疾患や癌患者などの低栄養状態の人達のコレステロール値はそもそも低値であり、そのような状態の良くない人達を含めた一般住民の統計から「コレステロール低下療法は誤りである」としたのは、コレステロールが最初から低値であるという事と高値から低下させる事を混同して論じており、国民に誤解を与えるというものでした。90年代から最近までに報告された幾つかの臨床試験では、悪玉コレステロール(LDL)値を下げると動脈硬化を基にする疾患(心筋梗塞や脳梗塞など)の発症が減少するという、科学的に信頼性の高い評価を受けています。さらにそれらの試験結果から、二次予防(1回心筋梗塞を起こした人が2回目を起こさないための予防)では、LDL値は出来るだけ低値へ下げる方が良く、一次予防(まだ発症していない人の予防)では、動脈硬化リスク(男性、高血圧、糖尿病、喫煙、低HDL、冠動脈新患の家族歴)を多く合わせ持っている人ほど下げる方が良いとされています。また、75才以上の高齢者や女性の一次予防に関しては議論の多いところですが、LDLとHDL(善玉コレステロール)の比や頚動脈エコー検査などで個々の病態を検討し、リスクが高い場合は下げる方が良いと言われています。現在治療中のかたは、食事療法や内服治療を突然中止したりせず、不安がある場合は医師に相談しましょう。
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慢性腎臓病ってご存じですか?Text by はら内科クリニック 院長 原 信彦
腎臓とはどういう臓器でしょうか?腰の辺りに左右1個ずつある握りこぶし程度の大きさの臓器です。血液をろ過して、必要なものを再吸収し、不要なものを尿として排せつする臓器です。それ以外にも、赤血球を作るホルモンや血圧を調整するホルモンを作ります。慢性腎臓病とは、腎臓が何らかの原因によりダメージを受け、血液をろ過する能力が落ちてしまう病気です。初期に症状は何も無いため、検査を受けなければ分かりません。「ちょっと血圧が高いけど、まあいいや」「コレステロールが高いけど、何も症状が無いので、様子を見よう」などと、生活習慣病を長年見過ごすことにより、腎臓にダメージが蓄積して発症してしまいます。このように、わが国の慢性腎臓病は、生活習慣の変化や高齢化を背景にして年々増加し、成人の8人に1人が慢性腎臓病と報告され、日本透析医学会の報告では、令和2年末で34万7千人の透析患者さんがいるそうです。※1また、この慢性腎臓病は、心筋梗塞や脳卒中といった心血管病や認知機能障害とも深く関わっており、健康寿命を脅かす新たな国民病と呼ばれています。慢性腎臓病は、血液検査や尿検査を行うことで診断できます。血液検査で、血清クレアチニン値をもとにした推算GFR(eGFR)と呼ばれる検査値が59以下の場合、慢性腎臓病を疑います。それ以外には、高血圧や高脂血症などの疾患に伴いタンパク尿が出ている場合です。まさか、ちょっと血圧が高いけど、放置しただけで知らないうちに腎臓が悪くなるなんて…しゃれになりませんよね。最悪の場合、高血圧を放置→慢性腎臓病→腎機能の悪化→慢性腎不全→透析という流れもあり得ます。これを知っていれば、たかが高血圧とは、いえませんよね。検診を受けていない人は、ちゃんと検診を受ける。検診結果で、生活習慣病に関わる数値が気になるのであれば再検査を受けるなど、症状が無くても自己判断で放置しないように気を付けましょう。※1日本透析医学会誌54(12):611-657,2021
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