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遠近両用コンタクトレンズと老眼Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
眼科の診療は、ほとんどが顕微鏡をのぞきながらの診察になりますが、涙目の検査をするときなど、肉眼で患者さんにすごく近づいて行うことがあります。50歳を超えると、そのように近づいて検査する時、患者さんの目を見るのが辛くなってきてしまいました。老眼の始まりです。近視用のコンタクトレンズをしている方で老眼になってくると面倒くさくなってきてやめてしまう方も多く見受けられます。しかし、最近では「遠近両用コンタクトレンズ(以下CL)」という物があり、遠くから近くまではっきり見ることができるようになってきました。はたして遠近両用CLの仕組みはどうなっているのでしょうか?遠近両用CLはあの小さいコンタクトレンズの中に、遠くが見える度数と近くが見える度数が同心円状に並んでいます。そして、遠くにピントの合う光と近くにピントの合う光の二つの光が常時目に入ってくるのですが、遠くを見ようと思った時・近くを見ようと思った時、それぞれに目的の光情報を頭の中でピックアップして、いらない光情報を半分カットしています。それ故、逆にピントの合っていない光情報も、常に目の中に入っているためちょっとにじんだように感じられてしまいます。ですからレンズの大きな普通の眼鏡に比べて全てがすっきりというわけにもいかないのが実情です。それでも数日するとその見え方にも慣れてきて違和感が次第に消えていきます。自分も初めて遠近両用CLに替えてみたときには、近くの文字がぐっと見やすくなり、診察の時も患者さんの目がよく見えるようになりました。最近はゴルフをするのにスコアカードが見えない、老眼鏡をかけるのはファッション的に格好悪いので遠近両用CLを希望しますというような、50歳になってCLを初めて使う方も増えています。
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四種混合ワクチンの供給が再開になっていますText by かみいそこどもクリニック 渋谷 好孝
国内にある製薬会社が生産する血液製剤の不正の影響で、四種混合ワクチン、B型肝炎ワクチンが出荷自粛となり、子どもたちの健康を守るという観点から不安が広がりました。昨年末にも三種混合ワクチンの供給中止のため、現場が混乱しワクチン接種が滞り、他のワクチン接種に来た時に見つけて勧めることが多くありました。四種混合、三種混合ともに含まれる百日ぜきに対するワクチンは特に重要で、中止していると流行を招く苦い経験を私たちは過去にしています。百日ぜきは重症化すると、咳が強い状態が続き、低酸素脳症など脳に重大なダメージを来すことが知られ、最悪の場合には死に至ります。幸いなことに、自粛となっていた四種混合ワクチンの出荷は11月26日をもって解除となっています。また、違うメーカーの四種混合ワクチンも12月9日から発売され、供給の不安定さは解消しつつあります。出荷自粛となったワクチンの品質については、製薬会社の第三者委員会や厚生労働省とも問題がない旨を公表しておりますので、安心して接種してください。早急に、これまでワクチンをしていただいた先生に連絡を取り、接種計画を立ててください。また、自粛になったワクチンに不安を持っているという保護者の方は他社のワクチンに途中から変えても、効果が薄れたり、副反応が増えたりする事態はありませんので、その点でも安心して早期に再開するようにしてください。B型肝炎ワクチンは現在、任意接種という位置づけなので、供給量の急速な回復は望めませんが、徐々に回復傾向にあり、これもかかりつけの先生と相談しながら進めるようにしてください。子どものうちに受けるワクチンは、公費のものでも、任意のものでもとても重要なものばかりです。新しく導入されたワクチンは、いずれも接種できる年齢が限られているものが多くなっています。これを機に母子手帳を見直して、接種していないワクチンがあれば早めに接種するように心がけてください。
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男性の性(10)Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
昨年大晦日の紅白歌合戦には25年ぶりに女性デュオの『あみん』が出場し、1982年最大のヒット曲『待つわ』を歌ったそうですが、1982年頃、僕は女にふられてばかりの大学5年生で、その歌を聞いたことはあったけれど、そんなにヒットしたとは知りませんでした。
『あみん(アミン)』といえば、食人大統領の異名を持ち、ボクシング・アフリカヘビー級チャンピオンでもあった2mを越す大男、当時、アントニオ猪木との異種格闘技戦の噂もあった、大虐殺を行ったと言われるウガンダの独裁者アミンを思い浮かべてしまい、『待つわ』を歌っていた方には『変な名前の歌手だなあ』くらいの興味しかありませんでした。 歌の世界では『待つわ』にしても三木聖子・石川ひとみが歌った『待ちぶせ』にしてもオンナの方が待っているイメージが強く、演歌ではさらに“男が船で女は港”的な歌詞が多いけれど、1982年ちょうど僕は、旅先でのデートの待ち合わせで6時間待たされた苦い経験があり(当時は携帯電話もなく知らない土地での待ち合わせではただ待つしかなかった)、だいたいその頃の僕は(今でもそうだけど)、いつも待たされるのはオトコの方だと思っていたので、オンナから『待つわ』などと言われても『ケッ』と思ってしまうひねくれ者でした。 文学界きってのモテ男だった、吉行淳之介はエッセイの中で待ち合わせの心得として『25分待ってタバコを一服し、それでも相手が現われなければ立ち去る、そうしなければオトコとしての面目が立たない』という旨を書いていて、吉行淳之介といえどもやはりオンナには度々待たされていたんだなあと少し安心します。 まあ、オンナの方は出かける時に、服や靴を選んだり髪を整えたり化粧をしたり爪を塗ったり首輪耳輪腕輪指輪足輪などを装着したりで、オトコと違って手間がかるんだなあ、と最近は多少は解っては来たけれど、当時はそういうところまで思いをはせるゆとりがなかったのだと思います。(つづく) |
心不全についてText by 榊原循環器科内科クリニック 榊原 亨
日本では、がんが死因のトップです。しかし、高齢者では心臓病・脳卒中で亡くなる人の数は、がんとほぼ同じで、超高齢者になると、心臓病・脳卒中で亡くなる人の方が、がんより多くなります。男性の平均寿命は81歳、女性では87歳と、世界2位の高さです。介護を受けずに、元気に生活できる健康寿命は、男性で9年、女性だと12年、平均寿命より短くなります。人生の最後に、10年近く、誰かの介護を受ける必要があるのですが、その原因の第一位は脳卒中で、心臓病と合わせると、要介護になる原因の4分の1を占めています。心臓病が悪くなると、(元の病気は心筋梗塞、弁膜症、心筋症などいろいろですが)心不全になります。心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。全国で、心不全のために入院する人は、2017年には年間26万人でした。35年には、132万人になると推計されています。日本の人口は減少していますが、超高齢化が進むために、心不全の人は増えていきます。心不全の治療は進歩しているのですが、5年生存率は60%程度で、良くならない種類の病気です。心不全は、4段階のステージに分類されています。(A)危険因子はあるが、心臓病のない人(B)心臓病はあるが、心不全症状のない人(C)心不全症状がある人(D)軽い動作で心不全症状が出る人。ステージCやDでは、息苦しさや疲労感などの症状が軽くなることを目指すので、治癒するということはありません。AやBの段階で、病気が進むのを予防するのが、心不全の治療としては良い方法です。危険因子とは、高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などです。普段からかかりつけ医とよく相談しながら、減塩をする、体重を管理する、適度な運動習慣を身に付ける、適切な薬の処方を受けることが肝心と思われます。重い病気になると、治療は難しくなりますが、予防的な治療は、毎日根気よく続ければ、重病になるのを防いでくれます。
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網膜剥離(もうまくはくり)と飛蚊症(ひぶんしょう)についてText by 藤原眼科 藤原 慎太郎
網膜はカメラのフィルムに相当する薄い膜状の組織で、感覚網膜という光を感じとる層と、その土台となっている色素上皮の二層に大別できます。感覚網膜が色素上皮から剥(は)がれるのが網膜剥離です。網膜剥離のうち代表的なタイプは、裂孔原性(れっこうげんせい)網膜剥離といって、網膜の一部に裂孔(裂け目)ができ、そこから網膜の裏側に眼球内の水分が流れ込み剥離するタイプです。裂孔ができる主な原因は硝子体(しょうしたい)の牽引です。硝子体とは、眼球内部の大部分を占めている透明なゼリー状の組織のことです。硝子体は加齢とともに一部が液体になりはじめ、容積が小さくなります。すると眼球後方の硝子体と網膜にすき間ができます。これを後部硝子体剥離といいます。後部硝子体剥離はそれ自体に問題はないのですが、硝子体と網膜が病的に癒着している場合、収縮する硝子体に網膜が引っ張られて裂孔が発生し、網膜剥離を引き起こすことがあります。加齢による変化以外にも眼球の打撲などで、網膜裂孔が生じる場合もあります。網膜剥離が起きる前兆となる症状に飛蚊症があります。飛蚊症は、目の前にゴミがちらついて、あたかも蚊が飛んでいるように見える症状です。本来は無色透明である硝子体の中に、加齢と共に線維性(せんいせい)の混濁が生じてきます。その混濁が眼球を動かしたときに動いて、飛蚊症として自覚されます。後部硝子体剥離後はとくに線維性混濁が著しくなることが多く、糸くずやリング状のものが見えたりします。これらは加齢とともに起こる生理的飛蚊症といって心配いりません。たいていの飛蚊症はこれに該当します。しかし後部硝子体剥離などの硝子体収縮により網膜に裂孔が生じたり、網膜の血管が切れて出血することがあります。この際にも飛蚊症が増悪します。症状だけでは生理的飛蚊症と区別はつきにくく、眼底検査を受けなければ判断できません。飛蚊症を自覚した場合は、早めに眼科を受診しましょう。
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