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コラムを読む

病気と闘う?

Text by 函館西部脳神経クリニック 院長 小保内 主税
ドラマの主人公が病気の人に「病気と闘うというのは、おかしいと思います。病気と闘うのは医療者であって、患者は闘わなくていいと思います。」と言うシーンがありました。なるほど、そういう考え方もあるかと感心しましたが、後から「それは違うな」と思い直しました。もちろん、医療関係者は日々、いろいろな疾患と闘っていますが、それぞれの患者さんにも一緒に闘っていただかなければ、病気を克服することはできません。例えば、リハビリは本人の意欲、やる気がなければ続けられませんし、理学療法士さんにやってもらうという受け身の姿勢では効果が上がりません。医療機関などを離れても、自分一人で続けていく努力が必要です。糖尿病や高血圧では、きちんと服薬することはもちろん、本人が食事の節制や運動など、日常生活を改善することが必要です。医療関係者に「お任せ」では病気とうまく付き合っていくことはできません。また別の番組で、病気に悩む人が「頑張れっていうけど、これまでも頑張ってきたのに、これ以上、何を頑張ればいいの?」と泣き叫ぶシーンも記憶にあります。私の師匠は病棟回診の際、いつも患者さんに「頑張れ」ではなく、「頑張りましょう」と声をかけていました。「私も一緒に頑張りますよ」と伝えているのだと、感心したものでした。私は、病気とは闘わずに、お付き合いしていくと考えた方がいいと思っています。残念ながら、病気は完全に治すことは難しく、長く付き合って行くことの方が多いと思います。病気になる前の体に戻ることを目指すのではなく、病気の症状はあるけれど、暮らしていけるというところを目標にすると、悩みが小さくなると思うのです。人生はマラソンに例えられることがありますが、病気は困った競走相手です。この相手には勝たなくてもいいので、負けないようにゴールすることを目指しましょう。医療関係者は、そのための伴走者として、一緒に頑張ります。
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リウマチに対する誤解

リウマチは正式には関節リウマチと言い、手足の関節が腫れて痛み、進行すると関節に障害を残し、時には肺や腎臓などもむしばみます。異常をきたした免疫システムが、誤って自分自身の組織を攻撃してしまうために起きると考えられています。世間ではリウマチに関して、間違った認識もあるようです。例えば、高齢者の病気、女性の病気、遺伝する、治療法がない、など・・・。実際には、リウマチの発症時期は30~40歳代にピークがあり、20歳代の患者も珍しくありません。逆に、70歳以降での発病はむしろまれです。男性の患者は女性の3分の1くらいいます。親子でリウマチになることもありますが、糖尿病や高血圧にくらべればはるかに低い確率です。最近は良い薬が次々と開発され、早期に診断すれば進行を抑えることも可能になってきました。
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「赤ら顔」は体質?(2026年6月 ハコラク掲載)

Text by 藤岡眼科 副院長 藤岡 聖子
「昔から顔が赤くなりやすい」「お酒を飲んでいないのに赤い」と悩まれている方は意外と多いものです。単なる「赤面症」や「体質」ではなく、慢性的に続く状態です。その正体は一つではないので、正しい診断が必要です。主な原因として、①酒さ(しゅさ):中年以降の女性の顔に多く見られ、鼻や頬の毛細血管が拡張し、皮膚の表面から透けて見える。②酒さ様皮膚炎:ステロイド軟膏の長期使用などで、特に皮膚が薄い目元・口周りに赤みや激しいかゆみが出て急激に悪化する場合がある。③脂漏性皮膚炎:皮脂分泌が多い頭皮・眉間・耳などに起きやすく、常在するカビの繁殖などで発症し、フケ状の皮むけを伴う場合もある。④アトピー性皮膚炎:身体のほかにも頬・首など幼少期からアレルギー体質以外のさまざまな要因により発症し、強いかゆみと赤み・乾燥を伴う。⑤ニキビ:10代〜大人まで見られ、額・頬あごなど皮脂の過剰分泌や毛穴のつまり、アクネ菌の増殖により発症し、赤みを伴うブツブツや膿疱ができる。気を付けるべきほかの要因として、ストレス・ホルモンバランスの乱れ、紫外線や急な温度変化、刺激物の摂取、便秘などがあり、食生活や日々のスキンケアの見直しも重要です。保険診療での外用薬(塗り薬や保湿剤)や抗菌薬内服などのさまざまな治療で炎症が落ち着いても残ってしまった「血管の開き」には美容医療(自費治療)が効果的なことがあります。美容医療の一つとして、高性能肌診断機により、肌の奥の血管の増殖(炎症による)を見極め、内服やスキンケアを組み合わせて肌の土台を整えつつ、広がった血管にはレーザーで不要な血管を収縮させ、赤みを改善させる治療があります。ただ、やみくもに強いレーザー照射は炎症と赤みを悪化させるので医師による適切な照射で肌色を安定させることが大切です。気になっている方は、専門医や専門科にご相談ください。
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お子さんの『歯並び』と矯正治療について

Text by 大内歯科医院 大内 英樹
そろそろ小、中、高校の学校歯科検診も終わり、検診結果がそれぞれのご家庭に届き、中には、不正咬合(ふせいこうごう=悪い歯並び)を指摘されたお子さんもいらっしゃることと思います。最近では、矯正治療も一般的となり、矯正装置を装着したお子さんも珍しくなくなりましたが、まだまだ勘違いされている方も多いようです。不正咬合とは、下顎前突(かがくぜんとつ=受け口)、上顎前突(じょうがくぜんとつ=出っ歯)、叢生(そうせい=八重歯などの乱杭歯)などの悪い歯並びの状態を言います。不正咬合は、審美的な、いわゆる見た目の問題と思われがちですが、虫歯や歯槽膿漏(のうろう)になりやすく、また、重症の場合、食事を「咀嚼(そしゃく=噛み砕く)」する機能が著しく損なわれている状態ですので、お子さんの健やかな成長にとってマイナスになっていると考えられます。矯正治療は、矯正装置を装着し、歯を削ったり、かぶせたりせずに、自分自身の「歯並び」を整えることにより、「咀嚼」機能を改善する治療です。もちろん、健康的で美しい笑顔も得ることができます。治療の開始時期は、不正咬合の種類、症状の重軽、歯の生え変わりの状態によって異なりますので、かかりつけの歯科医院でご相談ください。
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緑内障について

Text by 吉田眼科病院 目谷 千聡
緑内障とは、視神経が障害され視野(正面を向いて前方を見つめた時に上下左右の見える範囲)が狭くなったり、部分的に見えなくなる目の病気をいいます。眼球に一定の張りを与えて形を保つ圧力のことを眼圧(がんあつ)といいますが、房水(ぼうすい)という眼内の水分がこの役割を担っています。房水は、毛様体(もうようたい)というところから生産され、目の中を循環しながら組織に栄養を与え、最終的には隅角(ぐうかく=房水の出口)を経て血管に流れ出ていきます。この流れがスムーズである限り、眼圧は一定に保たれています。ところが、房水が排出される隅角が目詰まりを起こすと、目の中の房水が多くなりすぎて目がパンパンに張ってしまいます。これが、眼圧が高い状態です。急激に眼圧が上がると視神経はすぐに傷つきます。また、眼圧がそれ程高くなくても、上昇している期間が長ければ徐々に傷ついていきます。眼圧の正常範囲は10~21mmHgとされていますが、視神経がどのくらいの眼圧に耐えられるかは個人差によります。実際、眼圧が正常なのに緑内障をわずらっている人が緑内障全体の半数以上を占めています。ですから、眼圧が正常でも決して安心はできません。多くの緑内障は、初期の段階では自覚症状はほとんどありません。実際、視野障害が起きていても視線を動かすなどして無意識に両方の目で補い合って物を見ているため、自分では視野障害に気付かないことが多いのです。また、視力は末期まで良好に保たれるため、視力を測っても緑内障が発見されないこともあります。現在、日本では四十歳以上の十七人に一人が緑内障に罹患(りかん)しており、自覚症状がないために緑内障患者さんの約九〇%が治療を受けていないといわれています。早期発見、早期治療のため、何も症状がなくても、一度は眼科検診を受けることをお勧めします。
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