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コラムを読む

血液検査でがん早期発見の時代へ

Text by 弥生坂内科クリニック 渡辺 雅男
「がんは血液検査で分からないんですか?」患者さんにそう尋ねられることが時々あります。現在血液検査には腫瘍マーカーと呼ばれるがん診断に関する項目があります。しかし、この検査はすでにがんの治療を受けている方の経過観察には有用ですが、残念ながらがんを早期に発見することは困難です。腫瘍マーカーはがん細胞の表面にある物質で、がんがある程度大きくなってから一部が死んで血液中に漏れてきたものを見ているので、もともと早期がんの発見には向いていないのです。胃カメラなど手間や苦痛を伴う検査を受けなければ分からないのが現状です。その限界を打破する新技術の開発プロジェクトが国立がんセンターなどを中心として現在進行中です。エクソソームと呼ばれる細胞から出される膜に包まれた物質の中にある、マイクロRNAという物質ががんの増悪や転移に深く関わっていることが近年分かってきました。エクソソームは血液、尿、唾液などの体液中に含まれており、これを抽出してマイクロRNAを測定してみると、がんの人と健康な人とでその内容・種類が異なることが分かりました。さらに重要な点はこれらの異常ががんの超早期から見られることで、早期の卵巣がんがこの手法で100%近い診断率であったという驚くような報告もあります。現在は13種類のがんについて診断薬として問題ないか多数例で検証する段階に入っており、数年以内の実用化を目指して研究が進んでいます。この技術には現在のがん検診・診断の体系そのものを根底から変えるほどの大きなインパクトがあります。長年続く画像診断を中心としたがん検診の時代から新時代の検診スタイルに進化すると思われます。早期発見されるがんが増えることになれば、最終的にがんの死亡率改善が期待されます。1日も早い実用化を期待したいところです。
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『しあわせ』な矯正歯科治療

昨年今年と、当院で矯正歯科治療を受けた口蓋(こうがい)裂患者さんの資料を整理して某大学の大学院生と一緒に指導を含めて論文にまとめており、昨年は1編、今年も3月に提出予定です。一応わたしもその大学の非常勤講師となっておりますが、若い院生と一緒に論文を書いていると、自分も本当に勉強している感じがしております。矯正歯科の技術は、その人独自のものであるという面もあることから、矯正歯科に携わる歯科医の中には自分の技術を「芸術」とか「アート」と表現する人も少なくありません。しかし「医学が科学の一分野である」ということは、万人が認めるところであり、矯正歯科学を含めた歯科学も当然科学の一分野です。最近EBM(EvidenceBasedMedicine)という言葉が良く使われています。聖路加国際病院の福井次矢先生は「〝適切な診療〟とは、つまるところこれまで行われてきた研究についての質の高いエビデンス(検証結果)を医療従事者が知っているかどうかにかかっている。治療効果・副作用・予後の臨床結果に基づき医療を行うというもので、専門誌や学会で公表された過去の臨床結果や論文などを広く検索し、時には新たに臨床研究を行うことにより、なるべく客観的な疫学的観察や統計学による治療結果の比較に根拠を求めながら、患者とも共に方針を決めることを心がけるべきだ」と述べております。矯正歯科の分野のなかで、口唇顎口蓋裂児(こうしんがくこうがいれつじ)の治療は、15年以上にわたり歯科医と患者さんが関わりあう治療ですので、医学の進歩の把握やEBMの実践、高度な治療技術の習得が当然必要です。しかし治療により得られた結果が、患者さんおよびその周りの家族の方々に喜んでもらえたか、その患者さんの「しあわせ」に関与できたかどうかを数値で測ることは不可能ですが、謙虚に考え、受け止め、考え続けなければならない問題です。
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歯周病とは?

歯の周辺の汚れ(歯垢)の中に含まれる歯周病菌の毒素で歯ぐきに炎症が起き、進行すると歯を支える骨が溶けて歯が抜けてしまう病気で、軽症を含めると成人の約8割に症状がみられます。しかし、初期の段階では、自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進んでしまいます。歯周病を予防するためには、歯みがきや食事、睡眠、喫煙などの生活習慣に注意するとともに定期的な歯科検診と、歯の汚れに応じて必要なクリーニング等を受けることが大切です。
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春の検診で視力の用紙をもらったら

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
新学期を迎え、われわれ眼科医も学校健診のため小・中学校を訪れます。視力検査を含め、目の病気が疑われれば専門医を受診するようにと、健診の結果用紙を子供たちは学校から頂いてきます。その中で特に注意しなければならないのが小学校1年生の視力検査の結果でしょう。小学校1年生にとって視力検査は初めての経験で、やり方も良く理解できないかもしれません。そのため検査結果が眼科で測る時より悪くなることもあります。しかしながらこの年齢で結果が悪い場合、遠視のお子さんも多く見受けられます。そして、遠視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この1年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復できなくなってしまうこともある、目にとってラストチャンスの時期だとも言えます。簡単に言うと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントがあった画像が目に入るので弱視になることはありません。それに対し強い遠視の場合は近くも遠くもピントが合わず、常にぼやけてしまいます。いつもはっきりしない画像しか見えていないため視機能(ものを見る力)が発達することができなくなります。そのため放置するとメガネで矯正しても視力がでない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。小学生の視力低下にまれに見られるのが心因性視力障害です。お友達がすてきな眼鏡をかけている。「自分もメガネがほしいなぁ」と言うように強く思うだけで視力が出なくなってしまう場合もありますし、お友達とけんかをして「学校に行きたくないなぁ」、などという気持ちが視力に表れてしまうこともあります。そういう場合にはご両親はもちろん学校の先生ともよく話し合うことが必要なことがあります。健康診断で視力の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。
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高血圧をやっつけろ!

Text by はら内科クリニック 原 信彦
今年から、日本高血圧学会が高血圧のガイドラインを変更しました。
内容は、さらに血圧を低く管理することです。なぜ血圧を下げるのでしょうか?それは、健康に長生きしたいからです。
血圧を下げることにより、脳卒中・心筋梗塞による死亡リスクを減らすことが出来ます。
具体的には、血圧をたった2mmHg低下させると脳卒中になる率が約6%、心筋梗塞は約5%低下するそうです。
また、血圧が120mmHg以下の人に比べると140mmHg以上の人は脳卒中・心筋梗塞による死亡リスクが3倍以上になります。
これらのデータをもとに、血圧をより低く管理することが必要になりました。
皆さんに出来ることは、まず、血圧測定をすることです。
測らなければ自分の血圧が正常なのかどうかもわかりません。
初期の高血圧患者さんは自覚症状は全くありません。
「頭も痛くないし大丈夫」と思わずに、まずは自宅で血圧を測定してみましょう(血圧計は腕に巻くタイプ・オシロメトリック法という測定方法のものが良いです)。今回のガイドラインの改訂で自宅での血圧は、若年・中年者は、125/80mmHg未満、高齢者135/85mmHg未満が目標となりました。
この数字は医師である僕がみても厳しいなと思います。
時間をかけて少しずつ目標に近づけること、そして、より血圧を下げるという意識を持つことが必要になります。漫然と血圧のお薬を飲むだけではなく、自分で出来ることをしてみましょう。
まずは減塩です。
日本人の食塩摂取の平均は11gですが、6gを目標にしましょう。
具体的には、味噌汁・スープは1日1回だけにする。漬け物を出来るだけ避ける。
減塩醤油を使ったり、ポン酢やレモン汁等で代用する。
次に、体重を4~5kg減量させると血圧も低下しますよ!運動は散歩程度で構いません。
日常生活で車は駐車場の端に止めるとか、買い物は歩いていくことなどから始めましょう。この春、何か一つでも出来そうなことから始めてみませんか!?
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