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ピロリ菌をやっつけろ!(慢性胃炎編)Text by はら内科クリニック 原 信彦
朗報です!ピロリ菌の除菌治療の対象が拡大して、慢性胃炎の方も健康保険で除菌治療が行えるようになりました。今までは、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・早期胃癌の胃カメラ治療後・他の特殊な病気だけが、除菌治療を保険で行うことができました。それ以外の方は、ピロリ菌がいても自費で除菌を行っていたのです。ところが、ピロリ菌と慢性胃炎の発癌の問題が、より明らかになったため、厚生労働省も重い腰を上げて除菌治療を慢性胃炎にも適応拡大したのです。胃癌とピロリ菌について述べますと、ピロリ菌陰性者からは、ほぼ胃癌は発生しません。ピロリ菌陽性であるだけで1000人に1人、そして慢性胃萎縮性胃炎の所見があれば400人に1人の割合で胃癌が発見されます。また、萎縮性胃炎が進行するとついにはピロリ菌も胃の中に住めなくなります。この時期には、ピロリ菌がいないにもかかわらず80人に1人の割合で胃癌ができます。怖いですね!そうなる前の除菌治療ということです。除菌治療とは、抗生物質2種類と胃酸を抑えるお薬を1週間飲むだけです。初回の治療=1次除菌は約70%の除菌率です。もしうまくいかなければ、2回目の治療=2次除菌を行います。2次除菌は約90%の除菌率です。ともに主な副作用は下痢・軟便です。1次除菌ではまれに味覚障害が起こりますが、除菌治療後元に戻ります。2次除菌は、薬の作用でアルコールが分解でピロリ菌の除菌後しばらくして胃酸の逆流症状が強くなる方もいます。除菌治療により発癌リスクは減りますが、癌にならないわけではありません。ここを間違わないでください。除菌後も胃癌検診は必要ですよ!除菌したので胃癌検診を行わず、残念ながら進行胃癌になっている方もいますので除菌後も胃癌検診は怠らないようにしましょうね!検査の間隔は除菌後の胃炎の改善状態にもよります。除菌して安心しきっているあなた!次の胃癌検診はいつですか?ちゃんと主治医に確認してくださいね!
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春の眼科検診での視力と色覚検査Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
新学期を迎え、眼科医が学校健診のため小・中学校を訪れます。視力検査を含め、目の病気が疑われれば、専門医を受診するようにと書かれた健診の結果用紙を子どもたちは学校から頂いてきます。その中で特に注意しなければならないのが小学校一年生の視力検査の結果でしょう。小学校一年生にとって視力検査は初めての経験で、やり方も良く理解できていないのかも知れません。そのため本来の視力より低く出ただけ、ということもあります。しかしながらこの年齢で検査結果が悪い場合、遠視や乱視が原因のお子さんも多く見受けられます。そして、遠視や乱視の場合、弱視(じゃくし)や斜視(しゃし)を伴っている場合があり、この一年生の時期を逃すと後でメガネをかけたとしても視力が回復出来なくなってしまうこともあるため、目にとってラストチャンスの時期だとも言えます。簡単に言うと、近視は少なくとも近くを見ている時にはきちんとピントが合った画像が目に入るので弱視になることはありません。それに対し強い遠視や乱視の場合は近くも遠くもピントが合わず、常にぼやけています。いつもはっきりしない画像しか見ていないため、放置するとメガネで矯正しても視力がでない弱視になってしまったり、また、斜視を来すこともあります。色覚検査は現在、希望者のみ行われています。プライバシー保護のため一人一人が別々に検査を受けられるようになっています。先天性色覚異常は男性で5%と、おおよそクラスに1名いる換算になります。小学校に上がると消防車の写生を全員でしたりと色使いにも色覚異常の生徒ははっきりと現れることになります。美術以外の教科でも先生が黒板に書いた字が見づらい、学校の掲示物が読みづらいなどの不具合が出ることもあります。小学生のうちにぜひ色覚検査も受けてみることを勧めます。健康診断で視力検査の結果が悪いときには放置せず、必ず専門医の精密検査を受けましょう。
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認知症の方との付き合い方Text by 函館西部脳神経クリニック 小保内 主税
認知症の家族への接し方をよく聞かれます。明快なお答えが出来ませんが、認知症の人が特別なのではないと考えるよう勧めています。たとえば、徘徊と聞くと、やみくもに歩き回る姿を思い浮かべがちです。ご本人が言葉で説明できないことも多いのですが、出かけた後をつけて行くと、その目的が分かることがあります。また、「徘徊」しているところを警察に保護された時、その発見場所にヒントがあることもあります。かつての職場を目指していたり、子供時代を過ごした、今はない実家を探していることがあります。認知症では、過去から切り離され、未来への見通しもつかない全くの暗闇の中、足元を照らす光だけが残っている状態です。「今」がとても不安なために、安心できた過去に戻ろうとして家を飛び出すことも多いといわれます。ただ、途中で道が分からなくなり、「徘徊」という姿になってしまいます。排泄に失敗したとき、「私はやっていない」と言い張り、汚れた下着を箪笥の奥に隠し、介護者を驚かせます。これらは「身内に格好悪いところを見られたくない」という、誰にでもある当たり前の気持ちから出たと考えられます。一見、理解しがたい行動も、よく観察すると理由があることが分かります。また、患者さん自身が語った言葉に対して、「ゆっくり話してください」、「何を話したかより、どのように話したかということが大事です」というのがあります。患者さんは、早口で幾つもの事柄を話されると付いていけません。同じ言葉でも、喋り方、声の調子、顔の表情などで受ける印象が変わります。この聞いた時の気持ちは記憶に残るようです。したがって叱るような話し方ばかりしていると、患者さんとの関係が壊れ、後々のお世話が困難になるという悪循環に陥ります。どんな時でも人と話す時には、相手を傷つけない話し方、態度というものがあると思います。認知症だからと「構える」のではなく、自分と同じ一人の人間として、ちょっと相手のことを大切に思って接することをお勧めしています。
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赤くなっても大丈夫:結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)Text by 江口眼科病院 江口 秀一郎
「少しチクッとした後、鏡で見たら白目が真っ赤になっていましたが、見え方に変化はありませんでした」皆様こんな経験ありませんか?目やに等がなく「あかんべ」をしても下まぶたの裏側が充血していなければ、それは結膜下出血と言い、あまり心配いりません。結膜下出血が起こる原因は完全には解明されていませんが、結膜弛緩(しかん)症といって白目が加齢に伴って弛(ゆる)んできたり、内科で血液を固まり難くするお薬を使用していると出血を起こし易いと言われています。放置しても約1~2週間で出血は吸収され、重大な病気の前駆(ぜんく)症状であることは極めて稀(まれ)です。一つだけ注意が必要なのは白目の充血との区別です。充血とは血管の中の血液が滞(とどこお)って血管が太く腫れ上がった状態で、眼に炎症が起きている兆候です。この様な症状は眼科での精査が必要となります。
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どういう人が乳がんに注意する必要があるか?Text by 北美原クリニック 乳腺センター 早川 善郎
乳がんの発症に関係する環境要因としては、肥満やアルコール、出産の有無など、因果関係が指摘されているものもありますが、あまりにも漠然としすぎており、切実感がないかもしれません。以前から、家族の中で乳がんになった人が多くいる場合は注意した方がよいことは聞いたことがあると思います。遺伝が関係する乳がんもあることはご存じでしょうか?最近、種々の遺伝子の異常によって乳がんが家族性に発症しやすいことがわかってきています。乳がん全体の約5~10%がこれらに関係があると言われています。BRCA1、BRCA2という遺伝子に異常がある人は、生涯、乳がんにかかる可能性が50~80%ほどあると言われ、一般の人の約10~20倍もの危険があります。また、卵巣がんにかかる可能性も高くなってきます。海外に比べ、乳がんの罹患(りかん)率が低い日本では、これらに対する認知度が低いのが現状です。しかし、私たちは、家族に乳がんの人がいたからといって、すぐに、遺伝子に異常があるかないかを調べることは一般的ではありません。では、どうしたらいいのでしょうか?まずは、心配な場合は、専門医に相談してみること、それと同時に、乳がんは身近な病気であることを少し気に留めていただき、面倒がらずに、検査を受けてみることです。検査には、マンモグラフィーが有効ですが、日本人は、高濃度乳房と言って、乳腺濃度が高いために実際のしこりを見つけにくいことが多く、そのような人は、超音波(エコー)検査などを併用するのもよいかと思われます。乳がんにかかる人の数は、増加しており、すべての女性は気をつけた方がよいのですが、特に、自分の母親や祖母、叔母など近親者に乳がんや卵巣がんになった人が多くいる場合は、若いうちから、十分注意していただきたいと思います。
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