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屈折と調節

Text by 江口眼科病院 良田 浩氣
眼はよくカメラに例えられます。実際に眼球は角膜と水晶体というレンズによって光を曲げて、網膜というフィルムで光を受け取り、脳に映像を送っています。カメラには焦点距離というものがあり被写体との距離が合わなければフィルムに光が集まらずピンボケしてしまいます。人間の眼にも同様にレンズの屈折によって網膜に光が集まる焦点距離があります。網膜に焦点を結ばないとカメラと同様にピンボケした映像しかみることが出来ません。しかし、水晶体を厚くすることで光の曲がり方を変える調節という機能が人間の眼には備わっています。調節をしない状態で遠方からの光が網膜に焦点を結ぶものが正視、5mより近い所からの光が焦点を結ぶものを近視、どの距離からの光も網膜上に焦点を結ばないものを遠視と呼びます。乱視とは、光の入る場所によって光の曲がり方に差ができる為に焦点距離にブレが出ることを言います。健康な眼であっても、成長期や加齢によって、屈折と調節も変化していきます。成長と共に近視になっていけば遠くは見えづらくなり、加齢による調節力の低下で老眼になれば手元が見えづらくなって来ます。光が網膜に集まりにくいために起こる見えづらさは、眼鏡やコンタクトレンズで光の曲がり方を矯正すれば改善することがほとんどです。しかし、年齢とともに変化するのでレンズ作成後も自分の眼とあっているのか定期的にチェックしていただくことをお勧めいたします。また、眼鏡などで屈折を矯正しても見えづらさが改善しにくい場合、白内障や網膜の病気などによって見えづらくなっていることもありますので、そのような時には一度眼科を受診してください。
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男性の性(7)

Text by 岡本ひ尿器科医院 岡本 知士
私は現在、北斗市(旧上磯町飯生)で開業5年目になりますが、上磯町出身の歌手に三橋美智也がいます。年配の方はご存知だと思いますが、1950〜60年代には伸びやかな高音が魅力の超人気歌手で、ミリオンセラー18枚(民謡1曲を含めると19枚)、生涯売り上げレコード枚数1億600万枚(2005年現在この日本記録はまだ破られていないそうです)、民謡や三味線の師匠としても知られ、弟子に細川たかしがいます。
当時のレコード市場規模は現在の10分の1程度だったそうなので、このレコード売り上げ記録は驚異的・超弩級といえます。1970年代後半には、ラジオのディスクジョッキーが人気を呼んで『ミッチーブーム』が起き、“それにつけてもお菓子はカール”のCMソングを歌い、40歳代後半に第2の人気のピークを迎えました。
私生活でも再婚して子宝に恵まれ幸福な時期だったようですが、晩年は妻からの家庭内暴力に耐えかねて家出し大阪のマネージャー宅に居候していたそうですから、国民的大歌手の最晩年はあまり幸せではなかったかもしれません。1996年、65歳で没。4ヶ月前のこの欄で、『女性の閉経に相当するような生殖・ホルモン的転換点は男性にはないのだろうか?』と書きましたが、最近男性でも加齢性腺機能低下症候群という概念が提唱され臨床的にも重要となっています。加齢とともに生じる、性欲・勃起能の低下、内臓脂肪の増加、骨粗しょう症などの身体症状や、抑うつ・疲労感・短気、不眠、知的活動力・認知力低下などの精神症状の何割かが男性ホルモンの低下と関連している、という考えです。
血中の男性ホルモン(テストステロン)は加齢とともに徐々に低下しますが、以前は測定方法が統一されておらず、また日本人での大規模調査で加齢による血中総テストステロン濃度の低下が認められなかったため、他の先進国に比べ日本人男性は“老いてますます盛ん”という風説が流れたこともありました。
しかし最近、総テストステロンではなく、生体内で活性のある遊離型テストステロンが測定可能になると、日本人男性も加齢ととも徐々に男性ホルモンが低下していることが明らかになってきました。晩年の三橋美智也が妻から受けた家庭内暴力の原因あるいは誘因が、この加齢性腺機能低下症候群だったとすれば、適切な治療を受けることによって、もっと幸せな夫婦生活・家庭生活が送れたのでは?と思います。(つづく)
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痛風(つうふう)

風が吹いても痛いので痛風と呼ぶと言いますが、足の親指の付け根が真っ赤に腫(は)れているのを見ると本当に痛そうです。痛風は血液の中の尿酸が多いとかかる病気ですが、昔はぜいたく病とも言われていて、肉を食べる人に多いのでそう呼ばれました。焼肉をたくさん食べたプロ野球選手なんかには多かったようで、現役時代の王監督が痛風だったなんていうのは、話が古すぎるでしょうか?今では皆さん豪快に焼肉を食べますけれど、昔は焼肉なんかもぜいたくだったわけです。痛風というのは、足が腫れるだけではなく、血尿が出て腰のあたりが死ぬほど痛い尿路結石(にょうろけっせき)や腎臓、血管壁(けっかんへき)に尿酸がたまった状態も全て痛風と呼びます。いずれも、血液の中に溶けているはずの尿酸が、濃くなりすぎて溶けきれずに結晶になると、かたまりになって出てくるわけです。血液検査を受けている人でしたら、必ず腎臓の機能の欄に尿酸値というところがあります。7mg/dlが理論的には血液に尿酸が溶けている限界で、それより濃くなると危ないです。砂糖を水に溶かしても、いっぱい砂糖を入れすぎるとザラメになりますが、そんな状態です。男性では二十歳を過ぎたら、女性では閉経後に尿酸値はピークになります。ですから、痛風は男性に多くて、しかも五十歳を過ぎた頃からかかる人が多くなります。高血圧の人の腎臓は尿酸を捨てるのがうまくいかなくて、痛風になりやすいということもあります。痛風で高血圧だと血管に尿酸がたまって血管が硬くなる動脈硬化も進みます。濃いおしっこは酸性なので尿酸が溶けにくく、薄いおしっこはアルカリに近くなるので、尿酸がよく溶けます。尿酸が7mg/dl台の人は、水を多めに飲んでいっぱい出すと尿酸は少し下がります。8mg/dlでは薬を飲んで下げましょう。9mg/dlでは「足が痛くなりますよ」と内科の教科書には書いてあります。暑い日に屋外でするバーベキューはビールも美味しいのですが、痛風の人は要注意。『水も飲みながらビールをおかわり』です。
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乾き目なのに涙目 ~結膜弛緩症(けつまつしかんしょう)~

Text by 清水眼科クリニック 清水 信晶
白目(強膜:きょうまく)の表面は結膜(けつまく)という薄い膜で覆われています。その結膜は黒目(角膜:かくまく)から始まって外側へ伸び、数㎝外側でUターンして赤目(眼瞼:まぶた)の表面から瞼の縁まで戻ってきます。両手で薄い透明なビニール袋を持っている状態を想像してみてください。そのビニール袋の中に涙がたまっていて瞬きをする度に角膜の表面を涙が覆って潤してくれます。年齢とともにこの結膜がゆるんでだぶついてきてしまう方がいます。この状態を結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)と言います。結膜弛緩症になるとゆるんできた結膜は上の方に上がってきて、下瞼の縁からはみ出して角膜の上まで飛び出して、下瞼の縁から白目の固まりが盛り上がって見えるようになっています。この状態になると、結膜の折り返し部分に涙をためることが出来ないため涙があふれて涙目になってします。でも逆に、折り返し地点に涙がちゃんとたまっていないということは瞬きをしたときに涙が黒目を綺麗に覆うことが出来ず、すぐに涙が蒸発してしまうということです。ですから、結膜弛緩症の方の問診票を見ると、「涙が多い」と「目が乾く」の両方に丸がついている場合がよく見られます。そのほかに、シブシブする、イズい、目やにがたまる、涙が目尻にあふれるので目尻の皮膚が肌荒れする、といった症状も出てきます。治療法としては、結膜を引っ張って張りを持たせた状態で強膜に縫い付ける結膜縫合術(けつまくほうごうじゅつ)を行います。程度の軽い場合には引っ張って強膜に縫い付けますが、程度の重い場合には結膜やその下にあるテノン膜を切り取ってから縫い付ける場合もあります。涙目だけれど乾き目、シブシブする、朝目やにがたまっているという方は一度眼科を受診して結膜の状態をチェックしましょう。
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糖尿病対策~寒い冬は鍋をたべて糖質オフ

Text by はら内科クリニック 原 信彦
寒い季節がやってきました。忘年会・クリスマス・お正月・新年会等々、1年間で一番太りやすい季節です。糖尿病の方にとっては、最も気を付けるべき試練の時期です。こんなときのおすすめメニューは鍋です。鍋の具材を考えてみましょう。かっこ内は食材100グラムあたりのおおまかな糖質量です。シイタケ(1.4)、白菜(2)、ネギ(5)、豆腐(2)、鶏肉(ほぼ0)、魚(マダラなら0.1)など、どれをとっても糖質が少なく、血糖値が上がりにくい食材です。野菜から、ゆっくりよくかんで食べましょう。特に最初の何口かでかまいませんので、1口20回かむことをおすすめします。これにより少し空腹感も紛れ、早食いの悪癖も改善します。ごま油や肉の脂身をできるだけ避けるとカロリーも低めに抑えられます。鍋の問題は締めのご飯や麺です。ここで一工夫。残った鍋のスープに油が浮いている場合は少し取り除きましょう。市販の鍋のスープは塩分が濃いのでスープを全部飲まないように気を付けてください。また、あまりぐつぐつ煮るとご飯に鍋の中の油分がしみこみ、カロリーが高めになるので、さっと一煮立ちで食べましょう。もずくやワカメなどの海草、お麩(ふ)、細かく切ったしらたきなどを加えることにより、少ないご飯の量でも我慢できると思います。麺類で締めるなら、最近ではスーパーでも低糖質麺が販売されており、これらを使ってみるのも良いと思います。締めが終わって一息ついたら、食後のデザートです。果物は1日1単位が基本です。リンゴ・梨なら半分、柿なら中くらい1個、ミカン中くらい2個が1日量ですよ。最近は果物の糖度も高く、糖度の高い果物は、この目安よりも少なくしましょう。食べるときは、リンゴや梨は小さく切って、半分(1単位)を6切れにして食べた方が、少し食べた感じが増します。そして何よりも重要なのは、起床後の体重測定。とにかく冬の間は、毎日体重測定を欠かさずに!気が付いたら、1~2キロ増えていたなんてことのないように、この冬を乗り越えましょう!
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