ノンクラスプデンチャーについて
審美性に対する要求は、年齢、性別に関係なく、入れ歯を使用していると気付かれたくないという思いは多かれ少なかれ持っていると思います。
今日は“ノンクラスプデンチャー”についてお話ししてみようと思います。“ノンクラスプデンチャー”という言葉は全く耳慣れない言葉だと思いますが、ひと言で表現すれば、金具(クラスプと言います)のない部分入れ歯のことを言います。
金具がないので見た目にも入れ歯とはわかりにくく審美性に優れており、インプラントのように手術を必要とはせず、年齢や患者さんの全身状態にかかわらず作製する事ができます。
日本国内で薬事認可を受けている“ノンクラスプデンチャー”は4種類ありますが、当院では金属床(特にチタンという金属アレルギーが少ないと言われている金属、人工関節やインプラントにも使われています)と併用を考えて作製している“ノンクラスプデンチャー”(商品名はスマートデンチャー)について少し説明いたします。
床(歯ぐきにあたる部分)は、ペットボトルの材料(ポリエチレンテレフタレート:略してペット)を使用しています。
この材料の特徴としては、柔らかいため弾力があり破折がしにくく、そのため厚みも薄くできて違和感が少ないという点にあり、ペットボトルにも使用されているので安全性についても問題ありません。
保険での入れ歯では設計にも制限がありますが、今述べた材料を使い、適切な設計をし実際に使っていただいている患者さんを見ると見た目もさることながら(審美的にも美しく)よく食事ができているように思います。
保険がきかない入れ歯ですが、こういう付加価値をもった入れ歯もありますという紹介でした。
なお、最近では国外生産で安価なものも出回ってると聞きます。
もしこのような入れ歯を希望するのなら安全な国産製品で作ってもらってください。